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航空事業
ドクターヘリを取り巻く環境
ドクターヘリは新たなステージへ
認知されてきたドクターヘリ事業

厚生労働省が2001年4月から導入を促進してきた「ドクターヘリ事業」。年度ごとに出動回数が増加し、2009年度には7,167回の出動を数えるまでになりました(表1参照)。2009年10月には無事故搬送患者数30,000人を達成しました。
ドクターヘリには医師・看護師が搭乗して救急現場で迅速な初期治療を開始し、死亡や重症化を回避して救命率の向上が図られます。
また、最近テレビドラマの題材にも取り上げられ、ようやく多くの方々に知っていただけるようになりました。
これら出動実績の増加や一般の方々にも認知されてきたことは、救急医療の確保と救命率の向上という面から、ドクターヘリの導入効果が大きいことが広く理解されてきているといえます。2011年3月現在、全国で26箇所で配備されており、2011年度も更に数箇所で配備が計画されています。

表1 出動実績の推移(2001年度から/全国での出動総数)

(社)全日本航空事業連合会
ドクターヘリ分科会資料

厳しい事業環境

1. ドクターヘリ運航業務における標準仕様ガイドラインについて
現在、ドクターヘリが導入され10年が経ち、運航に関しても業務の内容及び事業環境に差が生じて来ています。2010年11月1日に社団法人全日本航空事業連合会ドクターヘリ分科会が「ドクターヘリ運航業務における標準仕様ガイドライン」を策定し、厚生労働省、ドクターヘリ導入促進議員連盟、HEM-NETや日本航空医療学会をはじめとする関係機関諸団体に配布し、理解を求めました。その骨子は次の通りです。

(1)運航体制と安全確保について
基地病院は、ドクターヘリ事業全体に対する責任を持つことができる体制を有するとともに、運航会社と緊密な連携を取ることができる医療機関であること。

(2)運航時間と勤務環境について
安全運航の確保を確実にするため、労働基準法および関係諸規則、各運航会社の社内規程や労使協定などを勘案して、適切な勤務時間(原則8時間/日)に基づく運航時間が設定されていること。また、これを超える運航時間を設定する場合には、昼間であっても適切な交代要員と必要な人件費が確保されていること。

(3)運航関係施設について
荒天、降雪、着氷、日照などから航空機を保護するため、および飛行前後の点検や小規模な整備作業の実施を確実にして飛行安全を確保するために、基地病院には格納庫施設を備えていること。

(4)感染防止対策について
ドクターヘリおよび関係諸施設については、基地病院が定める感染防止対策の基準を適用し、その確保には基地病院が責任をもってあたる体制が確立されていること。

※添付資料: ドクターヘリ運航業務における標準仕様ガイドライン(PDF)
  出典: 社団法人 全日本航空事業連合会ヘリコプター部会ドクターヘリ分科会


2.運航経費について
ドクターヘリ事業は、国の補助制度である「ドクターヘリ導入促進事業」に支えられており、ここで制定された補助総額(1億7千万円/1箇所)の算出根拠は、当時の想定出動回数240回/年をベースに算出されたものになります。

しかし実際には、2008年度実績で平均出動回数390回/年に達するなど、当時の想定を大きく上回る状況になっています(※表2参照)。現行国の補助金の内訳として、運航関係への補助金額は1箇所あたり約1億8千万円ですが、2006年度実績ベースの運航経費では約2億5千万円が必要とされています(※表3参照)。

表2 1箇所当たりの年度出動平均回数(通年運航箇所のみ)

(社)全日本航空事業連合会
ドクターヘリ分科会資料

表3 ドクターヘリ年間運航経費の内訳と推移(年間1機/箇所あたり)

(社)全日本航空事業連合会
ドクターヘリ分科会資料

表4 ドクターヘリ機体(新規調達)価格の推移(円建て)

(社)全日本航空事業連合会
ドクターヘリ分科会資料

各方面への働きかけ

ドクターヘリは他の事業と比較して、公共性・社会性が高いことは言うまでもありません。だからこそ、安全運航を確保するために必要最低限なコストは、運航会社として確保していかなければなりません。
「安全運航体制の確保」をお約束させていただく上で、必要な経費に見合うだけの補助金額にしていただくよう朝日航洋をはじめとする各運航会社は厚生労働省、各地方自治体など関係方面にお願いをしてまいりました。
この現状と働きかけは、ドクターヘリの認知度が高まるとともに、新聞やテレビなどで報道されるようになりました。またドクターヘリ導入促進のための超党派の国会議員連盟も組織されるなどの動きは、関係方面への要望を伝えていく上で、大きな追い風となっています。

新たなチャレンジとサポーター

皆様からのお力添えの賜物として、厚生労働省は2010年度ドクターヘリ導入促進事業の補助金基準額を見直しました。しかしながら、必要な運航経費を賄えるまでの増額には至っていません。
また、各地方自治体(県など)の財政状況が厳しいこともあり、国が示した基準額のとおりに補助金増額ができず、旧来の金額に据え置かれたままの自治体もあるのが現状です。
こうした中で、全国のドクターヘリ事業を支援する一助になればと、野村證券株式会社様から君津中央病院(君津ドクターヘリ基地)、日本医科大学千葉北総病院(北総ドクターヘリ基地)、前橋赤十字病院(群馬県ドクターヘリ基地)に対して援助を頂きました。
朝日航洋は、それぞれのドクターヘリの機体にロゴを貼付して、このご厚意に感謝の気持ちを表しています。こうした動きは徐々に広まりつつあります。

今後の課題と決意

朝日航洋はドクターヘリの運航会社として、今後も引き続き安全運航のための体制づくりを図っていきます。
また、公共性の高いドクターヘリ事業を担う操縦士・整備士・CS(コミュニケーションスペシャリスト)の養成にも力を入れ、より信頼いただける運航を目指します。

お問い合わせ 03-3522-0647 航空事業本部営業統括部
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